訪日タイ人観光客のインバウンドについて【2021年】

2021年04月09日

タイ人のインバウンドについて

2020年は新型コロナウイルスの影響で減少しましたが、タイからの訪日観光客数はコロナが発生する直前の2019年まで順調に増加傾向にあり、2019年には訪日外客数が131万人まで増加しています。(2020年は新型コロナウイルスの影響で約22万人でした。)2019年までのデータによるとリピーターの割合も7割と、インバウンドとしても成熟し始めてきている市場です。このようにリピーターが増加傾向にあることから、これまでに訪問していない地方観光地への興味が高まっています。これからタイのインバウンドに取り組む方のために、タイのインバウンドについて、概要をまとめたいと思います。

 

 

タイ人のインバウンドに関するデータや傾向


 

■2019年のタイ人の年間訪日数は131万人でコロナ前までは順調に伸びておりコロナ後も拡大が期待できる市場

2018年タイからの訪日数は113万人、2019年には131万人のタイ人が日本を訪れました。2020年は新型コロナウイルスの影響で減少しましたが、コロナが発生する直前まで毎年順調に訪日タイ人数は伸びてきました。特に毎年ソンクラーン(タイの旧正月、4月上旬)と10月〜12月の紅葉シーズンには多くのタイ人が訪れていました。さらにタイからの訪日客も、台湾・香港などの地域に迫る勢いでリピーターが増加しています。2019年に訪日したタイ人観光客のうち、70%が訪日リピーター、さらに39.8%は4回以上の訪日経験があるヘビーリピーターでした。コロナ後も伸びるのが期待される市場となっております。

タイ人訪日客数推移

 

■タイのコロナ事情(2021年4月9日情報)

感染拡大は2021年2月初旬で収束し、3月以降、1日あたりの新規感染者数が50~100人位で推移し落ち着いていた。しかし、4月に入り感染拡大が始まり、クラスターの発生が続いている。

タイ国への 日本人入国者数は、5 月以降の緩和政策により増加しているが、コロナ以前の数値にはなっていない。主に、駐在員・在留邦人や商用での入国が主体となっている。タイ国では、全種のビザに対する入国を許可した。事前の入国許可申請と 14 日間のASQ 隔離は必要となっている。
 

■訪日タイ人の消費額

タイ人の日本での旅行消費額は2019年で1,732億円、2018年では1,407億円、2017年では1,250億円とこれもコロナ前までは順調に伸びてきていました。また、一般客1人当たり旅行での消費金額(航空券、ツアー料金を含まない旅行中の消費金額)は、2019年度で約13万円でした。

 

■FIT化が進んでいるタイ人

タイ人の訪日旅行の形態では、FIT(個人旅行手配客)が80.2%と非常にFIT化が進んでいます。また、旅行手配に関してもWeb上で申し込みが67.9%と非常に高くなっています。この背景として、まずLCCの日本就航が挙げられます。2014年以降、LCCがタイから相次いで就航し、日本旅行の低価格化が進みました。また、タイにおける日本の情報環境も整備されてきています。Chill Chill Japanをはじめとして、日本の旅行情報を扱うウェブサイトも多く、日本旅行へのハードルが下がっているという現状があります。

タイ人訪日客の旅行手配

 

■タイ人の情報収集方法

では、タイ人はどのように日本旅行に関する情報を収集しているのでしょうか。まず、タイではスマートフォンの普及率が非常に高い傾向にあります。モバイル端末の浸透率は80%。さらにインターネットの利用時間は他の国と比べても圧倒的に長いという特徴があります。そういう訳で、タイ人の情報収集としては、デジタルが中心となっていると言えます。訪日旅行に関するWebサイトはもちろん、インフルエンサーと呼ばれる影響力のあるブロガーやYoutuberの情報も参考にされています。

インターネット利用

 

また、SNSの利用率が非常に高いこともタイの特徴と言えるでしょう。FacebookやYoutubeはもちろんですが、日本でもメジャーなLINEがタイでも同様に高い普及率を誇っています。

タイ人の傾向として、日本人以上にSNSを好んで使っており、旅行者の多くが訪れた場所や目にしたものをSNSに投稿しています。そのような生のレビューも訪日旅行の参考情報となっています。

ソーシャルメディア利用率

 

 

 

■タイ人に人気の日本のスポット【2020年調べ】

前述のようにFIT化が進み、リピーターも増えてきているタイ人の訪日観光客。日本全国の観光地や施設の認知度も年々上がってきています。

タイ人に人気の観光地ランキングでは、449ものスポットが得票しています。1位は3年連続で「富士山」が獲得しています。世界遺産でもある富士山は、タイ人にとっても日本の象徴として考えられています。飲料メーカーのCMや日本の商品の広告でも富士山のイメージが使用されていたりします。そういったイメージから日本に旅行した時に必ず訪れたいスポットとして根強い人気があります。

その他、昨年発表されたランキングから上位の顔ぶれは大きく変わらないものの、1位は3年連続で「富士山」が獲得。上位の顔ぶれは大きく変わらないものの、「日本アルプス」がベスト10入り。その他ゴールデンルート以外で「銀山温泉」「キロロリゾート」「河内藤園」「新穂高ロープウェイ」「那智の滝」などが大幅に順位上げました。

温泉への興味も高い傾向にあります。タイではもともと他人と入浴することに抵抗を覚える人も多かったですが、バンコクでも入浴施設ができるなど近年温泉への人気は高くなっています。そうした中で、訪日旅行の際の目的の一つとして、温泉をあげる人も多く行きたいスポットとして「別府温泉」「城崎温泉」「銀山温泉」などが上位に入っています。

 

タイ人に人気の日本の観光スポットランキング

タイ人に人気の日本の観光スポットランキング

 

 

インバウンドのタイ人を集客するのに効果的なプロモーション方法


では、タイの訪日観光客を集客するためにはどのような方法があるのでしょうか。代表的なプロモーション方法を紹介したいと思います。

 

①インバウンドWebメディアへの掲載(顕在層&潜在層へのアプローチ)

タイ人の訪日観光客に訴求するためには、タイ人の訪日観光客が旅行を検討する際に参考にするメディアへの掲載が効果的です。その理由としては、日本旅行に興味がある訪日旅行予定層「来訪/自社サービス利用潜在層」にアプローチができるという点、またタイでもGoogleの利用率が非常に高いためSEOに強いメディアであればタイ人が利用する特定のキーワードにおいて「来訪/自社サービス利用顕在層」にもアプローチすることができます。これから日本に来るタイ人に適切にリーチできる点でインバウンド Webメディアへの掲載は効果的です。

訪日外国人向けメディアといってもその規模や認知度は様々です。インバウンド メディアも増えてきた近年、「ネイティブ目線での記事制作」は当たり前となっていますが、インバウンドを対象にプロモーションを行う時に注意しなければいけない点がそのメディアのユーザー層です。プロモーションの目的にもよりますが単に日本が好きな層に向けて発信するのか、日本旅行をする予定の人に発信するのかではその効果も大きく違ってきます。さらにメディアのPV数やファン数も記事出稿を考える際には重要な指標となります、しかしながらFacebookのファン数が100万人を超えても、エッジランクが極端に低くFacebookの平均リーチが1~2万程度というメディアもあります。数字のみではなくその訪日外国人向けメディアの特徴を見極める事、またコンテンツの内容や出稿した記事の効果をあらかじめ考慮した上で出稿されることをお勧めいたします。

 

 

②インフルエンサーによるプロモーション

前述の通り、SNSの利用率が高いタイにおいてインフルエンサーを活用したプロモーションも効果的です。タイでは、トラベルブロガーやYoutuberも根強い人気を誇っています。インフルエンサーの活用においては、まず第一にその影響力の指標としてフォロワー数が基準となります。しかしながら、インフルエンサーにおいてもユーザー層は考慮しなければなりません。例えば、フォロワー数が300万人のインフルエンサーでも、訪日旅行に興味のあるフォロワーが全員とは限りません。再生回数が伸びても、最終的な集客に繋がるのかという点は気をつける必要があります。タイは訪日観光客数は年間で113万人の市場です。効果的にインバウンドプロモーションを行って行くためにはそのフォロワー属性も考慮に入れていく必要があります。インフルエンサーの実績のチェック、特に依頼する内容に関連する実績があるかどうかも把握しておくと良いでしょう。

 

③イベントへの出展

現地で行われている国際旅行フェアなどにブース出展するのもインバウンド 向けプロモーションとして効果的です。タイでのインバウンド 向けのイベントでは、夏と冬に開催されるTITF(THAI INTERNATIONAL TRAVEL FAIR)と11月に開催されるJNTO主催のVisit Japan FIT Fairが有名です。

TITFは世界各国からの観光事業者が出展する旅行博覧会です。会場は各国の自治体のブースと旅行会社や旅行関連グッズの即売会のブースと分かれています。旅行会社のブースでは旅行情報の発信、航空券やホテルの宿泊券、パッケージツアーなどが特別価格で販売されています。各国のブースでも日本のゾーンの規模は大きく、日本各地から自治体や鉄道、小売店関連のブースが多く出展しています。FIT FAIRはJNTOが主催しており、訪日旅行商品のみの即売会となっています。日本およびタイの旅行事業者が訪日関連のPRをする場であり、効率的に訪日タイ人観光客向けのプロモーションができるイベントです。

特にFITフェアは訪日旅行に興味のあるタイ人にターゲットを絞っているイベントです。そのため、効率よく訪日タイ人向けにプロモーションすることができます。訪日タイ人をメインターゲットにする方にとっては要チェックのイベントです。

 

 

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