定番の強さに加え、地方・自然・体験が人気を牽引。
旅の目的が多様化し、全国各地へ関心が広がる結果に。
タイ人向け日本旅行情報メディア「Chill Chill Japan(チルチルジャパン)」を運営し、自治体・企業向けに訪日タイ人向けプロモーションを行う株式会社アジア・インタラクション・サポート(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:青木達夫)は、「訪日タイ人の人気観光地ランキング2025」を発表しました。
本調査は、日本旅行に関心を持つタイ人2,193名を対象にインターネット上で実施。自由記述式の回答をもとに、「観光スポット」「観光エリア」「都道府県」の3カテゴリで集計したものです。
上位の顔ぶれは安定し、観光スポット・観光エリア・都道府県のいずれのランキングでも「富士山」「大阪」「北海道」など日本を代表する観光地が強さを維持しました。
一方で、中位層以降では、地方の自然景観地や季節の風景を楽しめるエリアが軒並み順位を上げています。
自然体験や写真映えを重視する旅行スタイルが定着し、都市観光だけでなく地方を巡る旅や、滞在型・体験型の旅行への関心が着実に広がっていることがうかがえる結果となりました。
観光スポットは「富士山」が8年連続首位!地方の自然スポットも躍進


2025年の「タイ人に人気の観光スポットランキング」では、富士山が8年連続で1位を獲得しました。例年と同様に、東京ディズニーリゾート、上高地、白川郷、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンといった日本を代表する観光名所が上位に並び、安定した人気を誇っています。
一方で、今年は姫路城が昨年の11位から8位に、東京タワーが14位から9位へと順位を上げ、トップ10入りを果たしました。特に東京タワーは、象徴的なランドマークとして再び注目を集めていることがうかがえます。
11位以下に目を向けると、小樽運河が20位ランクアップ、小樽雪あかりの路が43位ランクアップと、小樽エリアへの関心の高まりが明確に表れています。また、高千穂峡、洞爺湖、さらに青山剛昌ふるさと館など、自然やエンターテインメントを楽しめる地方のスポットが軒並み順位を上げています。
こうした傾向から、定番観光を体験済みのリピーター層の間では、「地方で自然や文化、エンターテイメントに触れる旅」への関心が高まっていることが読み取れます。
<Chill Chill Japan 編集部 のコメント>
編集部では、今年34位にランクインした「高千穂峡」に特に注目しています。昨年から大きく順位を上げており、その人気上昇はデータにも明確に表れています。タイ語で「ทาคาชิโฮะ(タカチホ)」と検索される回数は、昨年の月平均約50件から今年は約70件へと増加。さらに、SNS上でも旅行投稿や動画の発信が増えており、タイ人旅行者の間で高千穂峡の認知度が着実に高まっていることが分かります。なお、アンケートの実施時期が沖縄の新テーマパーク「ジャングリア」開業前であったため今回はランク外となりましたが、来年の動向にも大きな期待が寄せられます。
大阪が首位を堅持。東京都心エリアも軒並み躍進、都心と地方の“二極化”が進行


「観光エリアランキング」では、大阪が昨年に続き1位を維持しました。トップ10の顔ぶれは大きく変わらないものの、舞浜、白川郷がそれぞれ2つ順位を上げ、安定した人気を示しています。
注目すべきは11位以下の動きです。新宿、秋葉原、上野、築地、芝公園など、東京都心の主要エリアがいずれも10位以上ランクアップ。特に芝公園は東京タワーに隣接しており、「観光スポットランキング」で東京タワーが順位を上げたこととの関連も見られます。浅草や渋谷なども順位を伸ばし、都心の繁華街エリアが再び脚光を浴びています。
また、白馬、ニセコといったスキーリゾート地も順位を上げた一方で、蔵王や銀山温泉は順位を下げており、冬の旅行先のトレンドにも変化が生じているようです。
さらに、仙台、名古屋、広島、長野、静岡、神戸、熊本、横浜といった地方の主要都市が順位を下げる一方で、小樽、富良野、鎌倉、北九州、鳥取、日立、松本など「第二都市」ともいえるエリアがじわじわと順位を上げています。過度に観光地化されていない地域で「地場の雰囲気」を楽しみたいという旅行者の志向が高まっている様子がうかがえます。
<Chill Chill Japan 編集部 のコメント>
注目すべきは、11位にランクインした「白馬」です。これまでタイ人にとってスキーといえば「ガーラ湯沢」が定番でしたが、近年は白馬の人気が急速に高まっています。スキーだけでなく、紅葉や春の新緑など四季折々の魅力があり、年間を通して楽しめるリゾート地として認知が広がっていることが要因と考えられます。この人気は今後も続くと見られ、来年はさらに順位を上げる可能性もあります。
もう一つ注目したいのが、27位の「鎌倉」です。こちらも順位を伸ばしており、「鎌倉の大仏」「鎌倉高校前の踏切」「江ノ電」周辺の風景がSNSで多く拡散されたことが人気上昇の背景にあります。東京から日帰りでアクセスできる利便性も魅力で、特に日本旅行のリピーター層から高い関心を集めています。鎌倉も今後、安定した人気を維持していくと考えられます。
「東京」が北海道を抑えて1位に。観光ブランドの多様化進む

2025年の「都道府県ランキング」では、北海道を抑えて東京が1位を獲得しました。観光エリアランキングで東京の繁華街エリアが軒並み順位を上げていることとも関連しています。
トップ10に入る都道府県の顔ぶれは大きく変化はなく、例年どおり人気スポットの分布がそのまま反映される結果となりました。たとえば、札幌・小樽・ニセコ=北海道、上高地・白馬=長野県、白川郷=岐阜県といった具合に、人気観光地を擁する都道府県が高順位を維持しています。
また、富士山(山梨・静岡)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪)、東京ディズニーリゾート(千葉)など、著名な観光スポットを有する都道府県が全体的に上位に並ぶ傾向も見られます。
さらに、京都や福岡は「観光スポット」ではなく、「エリア」「都道府県」としてそのものがブランド化しており、地名自体が観光対象として認識されていることが特徴的です。
<Chill Chill Japan 編集部コメント>
「長野県」が引き続き上位を維持している点に注目しています。2022年の9位、2023年の7位、2024年の5位と着実に順位を上げ、今年も5位をキープしました。特に白馬エリアの人気上昇が県全体の評価を支える要因となっており、来年も安定して上位を維持する可能性が高いと見られます。
また、「富山県」もここ数年上昇傾向にありましたが、今年は13位から14位へとわずかに順位を下げました。それでも、北陸新幹線の延伸によるアクセス改善などを積極的にPRしていけば、再び上昇が期待されます。
さらに、2025年12月にはタイ・エアアジアXによる仙台=バンコク(ドンムアン)路線の新規就航が予定されています。この新路線の開設により、東北地方全体への関心が一気に高まる可能性があり、来年のランキングでは東北エリアの動向に大きな注目が集まりそうです。
【調査概要】
・調査方法:インターネットアンケート調査
・調査期間:2025年5月15日~2025年6月7日
・調査対象者:タイ人(日本旅行に関心を持つ)
・有効回答者数:2,193人
【人気観光地の調査・集計の方法】
・質問項目:「今行ってみたい日本の観光地・施設はどこですか?」
・回答は記述式のフリーアンサーで7つまで答えることが可能 (それぞれが1票)
・回答の集計は、タイ語を、類推で日本の地名・スポット名に変えることなくそのまま日本語に翻訳し、翻訳された日本語に関しては、明らかに同一地名もしくは同一施設と考えられるもののみ統一して集計。スポットで所在地がはっきりしている場所は、観光地名・都道府県等の集計にそのまま加算している。
■Chill Chill Japan (チルチルジャパン)に関して
Chill Chill Japanはタイ人に向けて日本旅行情報を発信するWebメディアです。タイ人が日本旅行をする際に参考となる観光地情報やショッピングやグルメ情報など様々な情報を提供しています。2015年12月の サイト開設から1年10ヶ月の短期間で月間110万PVを突破し、月間150万PV、ユニークユーザー65万人を記録し、タイ人向け日本旅行情報WebメディアでNo.1と評価されるようになりました。
▶︎Chill Chill Japan Webサイト https://chillchilljapan.com/
▶︎Chill Chill Japan の詳細(日本語) https://asia-is.com/column/chillchilljapan/