4月は日本の桜が最も美しく咲き誇る時期であり、全国各地から観光客が集まります。特にタイからの観光客は、この時期に増えることが知られています。しかし、桜だけが日本の美しい自然を代表するわけではありません。実は、タイの人々は桜以外にも多くの日本の花に大きな興味を持っています。そこで、この記事では、春の訪れと共に日本で楽しめる、桜以外の美しい花々と、それらを見ることができる人気の観光スポットを紹介します。北海道で広がるラベンダー畑、華やかな藤の花、地面を彩る芝桜、青い海を思わせるネモフィラ、秋の風情を感じさせるコスモスなど、これらの花々は訪れる人々に忘れられない景色を提供します。
2021年に実施した2,300名のタイ人を対象としたアンケート調査では、桜以外の花で人気の観光スポットが明らかになりました。タイ人旅行者にとって、一面に広がる花の絨毯は特に魅力的なようです。その結果、北海道のファーム冨田(7月のラベンダー)が北海道エリアで1位、国営ひたち海浜公園(春のネモフィラ、秋のコキア)が関東エリアで5位、花夢の里(春の芝桜)が中国・四国エリアで8位、とっとり花回廊(春のチューリップ、秋のサルビア)が9位、河内藤園(春の藤の花)が九州・沖縄エリアで2位に選ばれました。さらに、千葉県のマザー牧場、栃木県の足利フラワーパーク、京都府の梅小路公園など、色とりどりの花々が咲き誇るスポットもタイ人には人気があります。これらのスポットでは、定番の桜だけでなく、地域ごとの特色ある花々が訪れる人々を楽しませています。
さらに、タイ人スタッフ3名によるグループインタビューを実施し、日本の花に対する認知度、興味度、訪問意欲を探りました。インタビューからは興味深い結果が得られました。例えば、芝桜については2人が、ネモフィラや菜の花については3名全員が存在を知らなかったという事実が判明しました。これは、タイ人にとってまだまだ知られていない日本の花が多いことを意味します。
また、花スポットのイメージ写真を見せた際、写真の質が興味度や訪問意欲に大きな影響を与えることがわかりました。特に、実際に訪れる価値があるにも関わらず、写真が魅力を伝えきれていない場合、訪問意欲が減少することもあります。さらに、タイにはない特別な景観を提供することが、訪問意欲を高める重要な要素であることが示されました。このような観点から、日本の花スポットをタイに向けて効果的にPRすることが、より多くの訪問者を惹きつける鍵となります。
実際は観る価値があるスポットでも、写真次第で訪問意欲を損なってしまうかもしれないので、情報発信の際には注意が必要です。
タイ国内の花スポットを理解しておくことも重要です。例えば、チューリップはタイにもありますが、北海道のかみゆうべつチューリップ農園のようなタイでも見られない絶景がそこにあれば訪問意欲が高まり、逆にタイのサラブリ―にあるヒマワリ畑を超えられる絶景感や写真映え感がないと訪問意欲は高まらない様子が今回伺えました。これらポイントを押さえながら、地域の花スポットをタイにむけて発信していくとより効果的なPRに繋がると思われます。
弊社では、有効な情報発信やPRに繋げるための、タイ現地デスクや膨大なタイ人ネットワークを活用した外国人人向け調査やオンラインインタビューなどを得意としています。今回のお花特集では簡易なインタビュー調査ではありましたが、より精度が高い調査と発信を組み合わせた費用対効果の高いプロモーションをご提案することができますので、ぜひお気軽にご相談を頂ければと思います。
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(初出 : 2022年04月15日 / 加筆・再掲 2024年3月1日)